すでに他界していますが、私の曾祖母のお話をしたいと思います。
私の中の曾祖母は、ちゃきちゃきしていて、誰にでも話しかけるような人が大好きなひいおばあちゃんです。煙草を吹かしながら、よく父と花札をしていました。お坊さんとも仲良く、一緒にお出かけしていました。
曾祖母は、高熱がきっかけで耳が全く聞こえなくなったのですが、そんな状態でも、バス停でバスを待っている間に隣の見知らぬ方に話しかけ、短い会話を楽しんでいました。
若いころの話を聞くと、交番のお巡りさんとも仲良しで、お巡りさんが夏の暑い中巡回していると、曾祖母が声をかけ、休んでもらっていたそうです。お巡りさんは、お風呂で汗も流して頂いていたそうです。今のご時世では考えられないほどの和さを感じます。
苦労もしてきたようで、夫である曽祖父は建設関係の仕事を営んでいたのですが、早くに亡くなり、職人さんをたくさん抱えていたこともあって、曾祖母が代わって若い頃から仕切っていたようです。その当時、建設関係はいろんな方が出入りするため、小さかった曾祖母は男性に負けないようにとその頃から煙草を吸い始めたそうです。煙草を吸い始めた理由がちょっと面白いですが、若い頃の曾祖母は必至だったのだと思います。
私はそんな曾祖母が大好きでしたし、昔の話を聞くことも好きでした。その時代に私は生きてはいませんが、どこか懐かしい気持ちにもなりました。
S・K