私は、マンドリンの音色に惚れて、マンドリンを習い始めました。今月で1年を迎えます。あっという間の1年でした。軽い気持ちで始めたのですが、忙しい日々のせいにしては練習をせず、それでも、休みの日は、小田原まで車を走らせ、海岸道りを通って、時間をかけてマンドリンを習いに行きます。先生は、とても厳しい方で、「全然ダメ」、「もう1回やって」、「どうした」、「止まるな」、と言われます。そして先生は、「何度も同じ音弦をアップダウンやる事」、「音階を、アップダウン、1時間毎日練習する事」、最後に曲を練習する事」、と言われます。
何かのせいにして、出来ない自分、やらない自分、先生に言われた厳しい言葉の愛情を思い出し、「私はやる!」、と決めました。
やるからには、精一杯やりぬくぞ!と気合を入れて、その日は眠りました。私は今、イタリアナポリの民謡「海に来たれ」を練習しています。この歌の歌詞を紹介しましょう
。 海に来たれ
来よ来よ急ぎ舟に
我が愛しの舟に
されどなれはまどろみ
我の待つを知らず
一人今宵寂しく愛しのなれを待つ
海に来よ、舟を漕ごう
この我が心をら
きみを想う 2, 3,番あり、
家に帰ると、今までとは違う私がいます。ひと息ついて、部屋を回り、「ただいま!」ご仏前に向かって、「ただいま!」と声をかけ、家事をやり、テレビを見て、またひと息、それが終わると、マンドリンの練習です。部屋のランプをつけ、楽譜台に楽譜を置いて、ひと息し、時間を確認、マンドリンの音弦を弾き始めます。先生の指導通り、練習練習、指が痛くなり、手が痛くなり、夢中で練習です。
最後の曲の練習は、歌詞を思い出しながら、身体をゆすりながら練習します。
練習が終わると、マンドリンに、「ありがとう!」と、ひと声かけながら、マンドリンをきれいに拭いて、また「ありがとう!」と言ってしまいます。ああ良かったと感じながら、ひと息。これが私とマンドリンのひと時です。
私は、仕事で、ベットで毎日暮らす方々に、音と歌を届けたい、詩を朗読してあげたい、花や木、空、街並みの写真を見せてあげたいと、思うようになり始めました。
〇と〇さんと、「人生のメリーゴーランドハウルの動く城」をマンドリン曲で流した時、言葉にならない息が、「ハ、ウ、ル、」、「ハ、ウ、ルの、城、と」何回か言われ、ありがとう!と、言ってくださいました。
私の母も、亡くなる前のお正月に、私がマンドリンで、さくら・さくら、荒城の月を、演奏した時に、ベットに横たわりながら、歌ってくれました。「なんて言っていいか?」
大切な思い出になりました。マンドリンのおかげ!私のこの1年は、マンドリンのおかげで、人生の分岐点を迎え、マンドリンに惚れて、私らしく生きている今です。